アレルギー科
アレルギーに対する
診療スタンス
アレルギー疾患を抱える子どもたちも増加してきています。
日々の生活の中で、以下のようなお悩みがありましたら、ご相談ください。
- くしゃみ・鼻水・鼻づまりが続いている
- 目のかゆみ・充血・目やにが出ている
- 鼻や目をこする、鼻水をすする、まばたきが増えた
- 目のまわりの皮膚の赤み、鼻をよくかむので鼻血がでるようになった
- 呼吸が苦しそう(ゼーゼー、ヒューヒュー、コンコンした咳、いびき、口呼吸など)
- 皮膚に湿疹や、みみず腫れ、ブツブツや赤みが生じた
- アレルギーの原因が何か知りたい
- 食べ物を食べたり動物に触れたりして急な症状が出てきた
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は湿疹•皮膚炎を慢性的(2ヶ月以上)続き、良くなったり、悪化したりを繰り返す炎症性疾患です。
皮膚が赤くなったり、カサカサしてかゆがったり、ブツブツになるなど、夏場の発汗が強い時期や冬場の乾燥をしやすい時期に悪化することが多く、
短期間で治るということはないため、根気強く正しいスキンケアを行うことと、ひどくならない状態を保つために治療を継続することが大切です。
年齢によって、症状が出る場所が異なるため、成長に合わせた最適な治療が必要になっていきます。
アトピー性皮膚炎は正しいケアを行うことで症状をコントロールすることができます。
放っておくと他の喘息などのアレルギー疾患がでてしまったり、かゆみがひどい状態が続くと、かゆくてよく眠れない日が続くようになり、成長ホルモンの分泌が悪くなり、成長障害につながることもあります。睡眠不足が続くと日常生活や学校生活などにも支障がでます。
また、顔や目の周りの湿疹がひどい場合には、白内障(水晶体がにごって視力障害がおこる)や網膜剥離など目の病気にもつながることがあります。
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赤ちゃんの時期
顔、頭、首などに出やすく、
ひどくなると全身にひろがります。 -
2〜3歳以上
手足の関節の部分やお尻の部分、
ひっかきやすいところに出やすくなります。
治療について
石鹸による正しいご家庭でのスキンケアと保湿剤、ステロイド剤による軟膏治療があります。
短期的、長期的に様子を見ながら軟膏を変えていきます。お薬がなくなったら来院してください。
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治療方法
肌の炎症状態にあわせて、保湿剤・ステロイド外用薬、タクロリムス外用薬、抗ヒスタミン剤内服を使用し、紫外線療法を行います。
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血液検査
アレルギーを持っているかどうか調べるため、血液検査も行うこともあります。アレルギーを持っているお子さまであれば、アレルギーも考慮した治療が必要になります。
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セラビーム(紫外線治療法)
紫外線照射することで過剰な免疫反応を抑制し、炎症を抑える効果があります。
当てている箇所はポカポカ温かい状態です。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、ハウスダストやダニなどが原因で起こる、一年中鼻炎が起こる「通年性アレルギー性鼻炎」とスギやヒノキなどの花粉などのような一定の時期だけ症状が出る「季節性アレルギー性鼻炎」があります。
最近ではお子さまの鼻炎や花粉症のご相談も年々増え、低年齢化が進行しています。小児のアレルギー性鼻炎は副鼻腔炎や中耳炎を合併することもあるため、早めの治療が大事です。お子さまの日常生活をよく見て、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状でお悩みのときは、当院までご相談ください。
治療について
アレルギー性鼻炎の症状に合わせて、飲み薬、点鼻薬、目や皮膚にも症状があれば点眼薬や塗り薬などを処方
いたします。お薬は保護者さまとお子さま自身のご希望を考慮して処方いたします。
気管支喘息(ぜんそく)
ゼーゼー、ヒューヒューと胸から音を出しながら激しい咳き込みをする状態です。1年間で3回以上ゼーゼー来る子息な咳があれば喘息(ぜんそく)の可能性が高いといえます。診断基準は現在のところ、確定したものはありません。
当院では、症状や経過から総合的に判断しています。
- 1.ゼーゼーした咳があり、何度も繰り返す
- 2.家族にアレルギー歴がある
- 3.血液検査でアレルギー抗体価の上昇が確認できる
よく「一生治療を続けることになるのですね」とご家族さまから聞かれますが、気管支喘息は発症から早い時期に適切な治療・コントロールを行えば大人まで持ち越すことは少なく、ほとんどは小学校就学前に治療を終了することが可能です。
治療について
発作を起こさないために抗アレルギー剤の内服や、吸入ステロイド剤の吸入が治療の中心となります。
花粉症
花粉に対するアレルギー反応によって起こる症状のことで、主に目や鼻に症状があらわれます。
しかし、アトピー性皮膚炎の皮疹を悪化させたり喘息の人の呼吸機能を悪化させたりアレルギー疾患全般に影響があります。スギ花粉による花粉症が多いのですが、その他にヒノキ、カモガヤ、
ブタクサ、オオアワガエリ、ハンノキなどが知られています。
Pointお子さまと同時に保護者さまの方の診察も行っております。
治療について
症状に合わせて、飲み薬、点鼻薬、目や皮膚にも症状があれば点眼薬や塗り薬などを処方いたします。
食物アレルギー
お子さまによっても異なりますし、年齢によってアレルギー反応が異なります。
1番問題となるのは、アナフィラキシーと呼ばれる「全身性即時型アレルギー反応」です。
食べた直後から2時間以内くらいに起こってくる反応(じんましん、発赤、咳、嘔吐、下痢
などの症状)が一番問題となります。
乳幼児期にそのような症状が起こっても、成長とともに改善されていくことがほとんどです。しかし、いつから、どのくらいの量を食べられるようになるかは個人差があります。
場合により血液検査を行ったり、食物経口負荷試験を専門医療機関に依頼したりして、アレルゲンが何か、どの程度なら食べられるかということ調べます。当院の方針としては、血液検査の結果がすべてではないということをお伝えしています。結果として、症状があれば、気をつけて生活をしないといけないですが、食物アレルギーの数値が高くても、絶対に食べてはいけないというわけではないため、お子さまの成長にはできるだけ、バランスよく、偏りすぎず、いろんなものを食べた方が良いと考えています。お子さまの状況を総合的に判断して、本人とご家族さまに合う計画を立てていきます。少しでも食べられるように一緒にがんばりましょう。