ポリオの予防をより確かにするために、就学前の4~6歳のお子様にワクチンの2回目追加接種(任意接種)をお勧めいたします。

不活化ポリオワクチンは接種から時間が経つと感染を予防する力が低下してきます。
4~6歳時に追加接種をすると、ポリオ感染を予防する力がより高く維持されます。

欧米諸国の多くでは、4歳以降に追加接種が実施されています。

初回免疫3回と1回目の追加接種は定期接種ですが、就学前の追加接種は任意接種(実費負担)になります。

 

ポリオ感染のリスクは、まだ存在しています

日本において経口生ポリオワクチンに代わり不活化ポリオワクチンが定期接種に導入されてから3年が経過致しました。

国内では1980年の1例を最後に、野生株のポリオウイルスによる新たなポリオ患者は報告されていませんが、海外では南西アジアやアフリカ諸国などを中心に、一部の国では依然としてポリオの発症が報告されています。

感染は国境を越えて広がるケースもあり、渡航者などを通じてポリオウイルスが海外から国内に持ち込まれるリスクはゼロではないと考えられます。

2015年にポリオ発症が確認された国は下記のようになります。
野生株ポリオウイルス          アフガニスタン、パキスタン
ワクチン由来株ポリオウイルス      ギニア、ラオス、マダガスカル、ミャンマー、
                                                                         ナイジェリア、ウクライナ
調査年は異なりますが、これらの国から日本への入国者数(2014年)は47,569人にものぼっています。

 

ポリオは、ワクチンによる予防が大切です

ポリオは重症な場合、手足の“まひ”などをひき起こします。

呼吸不全や肺炎で死亡することもあります。

いったん起こった“まひ”は回復しない場合も多く、後遺症につながります。

有効な治療法がなく、ワクチン接種が唯一の予防法です。

 

追加接種によって抗体価が上昇します

不活化ポリオワクチンは接種から時間が経つと抗体価が低下することが知られています。

抗体価とは感染を予防する力を数値で表したものです。

抗体価が低下すると、ポリオ感染を予防する力が失われ、再び感染のリスクにさらされます。

より長い間ポリオ感染を予防するためには、2回目の追加接種が必要です。

4~6歳時に追加接種をすると、ポリオ感染を予防する力がより高く維持されます。

 

海外では、就学前に追加接種が行われています。

不活化ワクチンを導入している欧米諸国の多くでは、4~6歳の就学前の小児に対し追加接種を実施しています。

お隣、韓国や東欧の国々でも行われています。

主な国でこの時期に追加接種を行っていないのは、日本のほかスペインとマレーシアとなっています。

日本では、2013年以降厚生科学審議会において、不活化ポリオワクチンのⅡ期接種(計5回目接種)の必要性について議論がなされてきました。

その後、不活化ポリオワクチンの就学前追加接種の必要性を念頭に、就学前の日本人小児に対するイモバックスポリオワクチン追加接種(5回目接種)に関する製造販売後臨床試験が実施されました。

この試験の結果により、免疫学的有効性と安全性が確認されました。

就学前の追加接種は任意接種となりますが、接種の重要性をご理解いただきたいと思います。

不活化ポリオワクチン単独で4回接種した方だけでなく、4種混合ワクチンで4回接種した方も同様に対象となります。

日本脳炎やMRワクチンなどの予防接種で来院予定の4~6歳のお子様の保護者の皆様に対し、不活化ポリオワクチンの就学前追加接種をお勧めいたします。